脊髄小脳変性症・脊山説
 

 脳の萎縮が運動障害の原因ではないとすれば、何が運動障害の原因かという問題です。整体療法により、血行不良を改善することで脊髄小脳変性症の運動障害が改善したという事実から、血行不良が脊髄小脳変性症の運動障害の原因であると考えられます。
 脊髄小脳変性症の運動障害が血行不良によって起こっていると考えると、脊髄小脳変性症におけるすべての疑問を明確に説明することができます。


 脊髄小脳変性症は、脊髄とか小脳が萎縮することが原因で運動障害が起こるとされていました。そして、脊髄とか小脳が萎縮する原因は不明でした。ところが、脊髄小脳変性症の運動障害は血行不良が原因で、脊髄とか小脳の萎縮はその結果として起こった二次的なものでした。そうすると、脊髄小脳変性症の運動障害は、以下のようなメカニズムで起こっていることが考えられます。

運動障害のメカニズム

 小脳は、全身の感覚器官からの情報を集めて、運動の進行状況を監視しているところです。そして、脊髄小脳変性症では、小脳の働きが低下していることはよく知られたことです。小脳が働いていないということは、小脳へ感覚器官からの情報が送られてきていないということだと思います。

 これは、血行不良により手足の末梢神経がしびれて働かなくなっているために、手足からの位置情報が小脳へ送られなくなっているということが考えられます。そして、手足からの位置情報が小脳へ送られてこないために運動のコントロールができなくなって、小脳性運動失調と呼ばれている症状が起こっているということが考えられます。

小脳などの萎縮について

 小脳などの萎縮については、「廃用萎縮」である可能性が考えられます。「脳の可塑性」という医学用語があります。脳の可塑性というのは中枢神経が末梢神経の影響により、その働き方を変えることです。脳の神経回路は、末梢神経からの入力によって維持されています。そして、よく働く神経回路は強化され、あまり働かない神経回路は退化していくようにできています。したがって、末梢神経からの入力が弱くなることで小脳などが働かなくなれば、当然、小脳などは働かないための退化「廃用萎縮」を起こすと思います。この正常な生理現象のどこが原因不明なのでしょうか。

異常たんぱくの正体

 脊髄小脳変性症の解明のための重要な手掛かりとされてきたα-シヌクレインその他の異常たんぱくは、廃用萎縮の結果としてできた神経細胞の死骸であることが考えられます。

異常たんぱくの蓄積について

 小脳などの神経細胞死に対して、、「いらなくなったタンパクを掃除する機能が働かないために異常たんぱくが蓄積し、細胞内の環境が悪化して神経細胞死が起こるのではないか」という説があります。しかし、小脳などの神経細胞死は、小脳などが働かないために起こった退化「廃用萎縮」です。異常たんぱくの蓄積が原因ではありません。

異常たんぱくの蓄積について、「掃除する機能が働かない」という説はその通りだと思います。出生後間もなく訪れる脳の機能発達の臨界期では、使われない神経細胞はどんどん退化して取り除かれますが、それは神経細胞などが爆発的に増える臨界期特有の現象で、臨界期が終わった脳では臨界期のような大きな変化は起こらないため、退化した神経細胞などを取り除く機能は働かなくなっているということが考られます。

パーキンソン病・ドーパミン仮説の虚構

 脊髄小脳変性症では主として感覚神経系が障害されるのに対して、パーキンソン病では主として運動神経系が障害されます。そのパーキンソン病は、中脳の黒質が萎縮することでドーパミンが不足するために運動障害が起こるとされています。これが有名なパーキンソン病のドーパミン仮説です。

しかし、星和書店発行の「パーキンソン病のすべて」P103 によると、中脳の黒質が萎縮するといっても、黒質が一様に萎縮しているわけではありません。黒質の中で、さらに運動機能に関係している神経細胞だけが萎縮します。同じ黒質の中で、精神機能に関係している部分は萎縮しません。

このきわめて限局的な神経細胞の萎縮に対してだけは、どうしてもドーパミン仮説では説明ができないようで、仮説は立てられていません。おそらく、この事実を説明しようとすればドーパミン仮説を否定しなければいけないからだと思います。医学界は、事実を無視してでもドーパミン仮説を守りたいようです。

 このドーパミン仮説に対して、「脳の萎縮は末梢神経が働かないために起こった廃用萎縮」だと考えれば、主として運動神経系が障害されるパーキンソン病において、黒質の中で運動機能に関係する神経細胞だけが萎縮するのは、ごく正常な生理現象で何の不思議もないことです。

異常遺伝子は発病の原因ではない

 脊髄小脳変性症の発病の原因とされている異常遺伝子については、脊髄小脳変性症の発病の原因は血行不良です。したがって、異常遺伝子は発病の原因ではありません。

しかし、特定の異常遺伝子によって、その遺伝子特有の症状が発現します。したがって、異常遺伝子は発病した時にどのような症状として現れるかという、表現型の決定に関与しているということが考えられます。

 血行不良が進んだとき、遺伝的な体質により、運動神経系の働きが悪くなるタイプの人はパーキンソン症状が起こり、感覚神経系が悪くなるタイプの人は小脳性運動失調といわれているふらつきとか手足を正確に動かせないなどの症状が起こるということが考えられます。つまり、感覚神経系が障害されるか運動神経系が障害されるかは、その方の遺伝的な体質、異常遺伝子によって決定されていると思います。

わかりやすく説明すると、異常遺伝子は病気の種です。大根の種から大根ができ、ニンジンの種からニンジンができるように、特定の異常遺伝子からその遺伝子特有の病気が発病するということです。しかしそれは発病(発芽)した時のことです。発病(発芽)しなければ種は種のままです。異常遺伝子という種を持っていても、発病しなければ何も問題はありません。

問題は、発病する条件です。異常遺伝子は、どんな条件の時発病するのかということです。その発病条件が血行不良です。

大根の種に水をやることで発芽条件が整い、芽が出て葉が出て大根になります。同じように、異常遺伝子を持った人が血行不良になったとき発病条件が整い、その遺伝子特有の病気が発病するということです。
そして、大根の種に水をやり、芽が出て葉が出てきても、水をやらなければ枯れてしまい大根は育ちません。同じように、異常遺伝子を持った人が血行不良になり、遺伝子特有の病気が発病しても、血行不良を改善することでその病気は育たないで回復してしまいます。これが遺伝病の真実です。


表現促進現象の原因

脊髄小脳変性症で、表現促進現象というのがあります。遺伝性と言われているタイプの疾患で、親から子、孫と、世代を経るごとに疾患の発現年齢が若くなっていく現象です。医学的には、遺伝子のタンパク翻訳領域のCAGリピートの異常伸長が原因といったような、むつかしい説明がされています。しかし、脊髄小脳変性症が発病する原因は血行不良です。:血行不良の親から、それ以上に血行不良の子供が生まれるのは当然のことで何の不思議もないことです。表現促進現象というのは、血行不良が遺伝していく現象だと思います。

病名が異なっていても原因は同じです

 また、脊髄小脳変性症とか多系統萎縮症などの一般的なタイプだけでなく、病名が確定できない運動障害に至るまで、いろいろなタイプの運動障害が血行不良を改善することにより回復しました。この事実から、脊髄小脳変性症は症状別にいろいろな病名がつけられていますが、それらは表現型が異なるだけで、血行不良という同じ原因によって発病している可能性が考えられます。

そして、運動障害が回復しても脳の萎縮は回復しないことから、脳は非常に容量が大きいため、萎縮していても働きさえすれば十分に機能することが考えられます。

 すべての人は年とともに血行不良が進み老化していきます。年とともに血行が良くなり元気になっていく人は一人もいません。血行不良が進んでいくと、そのうち末梢神経がうまく働かなくなります。そうなると、とっさの動作ができないとかふらつくといった運動機能に異常が起こるようになります。昔から年寄りはよたよたと歩いていたものです。昔は「年ですから」といわれていましたが、精巧な検査機器ができて脳を調べてみると、脳の特定部分が萎縮していて「さあ大変だ」と騒いでいるのが現状だと思います。

 その脳の特定部分の萎縮にしても、血行不良から運動機能に異常が起こるようになると、その機能に対応している脳神経細胞が働かないための退化「廃用萎縮」を起こすのは自然の摂理で何の不思議もないと思います。


 主として感覚神経系が障害される脊髄小脳変性症で小脳が萎縮するのも、主として運動神経系が障害されるパーキンソン病で線条体黒質が萎縮するのも、全く正常な生理現象で何の不思議もないことですが、医学的には原因不明です。これは西洋医学が脊髄小脳変性症の発病には、感染症と同じような特定の器質的な原因があると考えているからではないでしょうか。

脊髄小脳変性症は血行不良から起こった機能的な異常です。脳の特定部分の萎縮などの器質的な異常は、その結果として起こった二次的なものです。つまり、「脊髄小脳変性症の発病には西洋医学的な原因はない」ということです。ない原因を探求するのですから、原因不明になるのは当然です。


 以上の説明から、脊髄小脳変性症は世にも恐ろしい病魔に取りつかれたものではなく、血行不良から体の機能が低下したもので、東洋医学で言われている「健康が足りない」という状態であることが理解していただけると思います。


                         << 前のページへ戻る
 

ようこそ 脊山整体のサイトへ  難病?神経変性物語最初のページへ

脊山整体院